小松菜やホウレン草入りのパン
冬になるといろいろなベーカリーでは旬の小松菜やホウレン草が入ったパンが店頭に並びます。体に良い野菜も一緒に食べられるのは嬉しいわ、と手を伸ばす方も多いようで、ベーカリーでは売れ行きが良い、と聞きました。
特にお子様のいるご家庭では、小松菜やホウレン草が苦手なお子様に何とか食べてもらいたい、というのは親心で、苦心惨憺するところです…。(かつて、私も子供が小さい頃は、なんとか食べさせようといろいろ工夫しました)
ところが、このホウレン草や小松菜には「シュウ酸」と呼ばれるものが含まれていて、「シュウ酸」はカルシウムと結合して体内で結石になりやすい、と言われています。
でも、このシュウ酸は簡単に除去して、ホウレン草や小松菜を美味しいパン作りに生かすことができます。
小松菜やホウレン草の前準備
シュウ酸は、100gのホウレン草に約700㎎含まれ、小松菜には約50㎎含まれます。
ホウレン草の方が小松菜に比べて圧倒的にシュウ酸の含有量が多いのが分かりますね。ホウレン草のアクが強いのはそのためなのです。
このシュウ酸は熱によって溶けだすので除去方法は簡単で、お湯でさっと茹でればOKです。パンのフィリングとして使うときは、次のように前準備をすると、美味しいパンを作ることができます。
①ほうれん草・・・・熱湯でさっと茹で上げます
(グツグツを煮るようにする必要は無く、パンに入れて焼くので10~20秒で充分です。逆に茹ですぎないようにしましょう。)
②小松菜・・・・・・オイルでさっと炒めておきます
(ホウレン草のようにシュウ酸が多くないので下茹でをしないでも大丈夫です)
話は飛びますが・・・私が小学生の頃、飼育小屋でニワトリを飼っていて、みんなでニワトリに餌を上げたのですが、小松菜は食べてもほうれん草は食べずに、とても不思議に思ったことを覚えています。ニワトリはホウレン草が嫌いなのかなあ?と無邪気に考えていましたが、今思うと「野性」の本能?でホウレンソウにはシュウ酸があってアクが強いことを感じていたのかもしれませんね。
ホウレン草や小松菜をパンに入れて成型する方法
シュウ酸を除去して下準備が出来たホウレン草や小松菜にはチーズが合うので、一緒に焼き込むと美味しくなります。
~ホウレン草や小松菜入りの小型パンの成型方法~
①60gくらいに分割したパンを伸ばし、1~2㎝に切ったホウレン草や小松菜を10gくらい散らし、溶けるチーズ5gくらいも散らす。
③端からクルクル巻く
④これを半分に切って切り口を上に向けて二つをくっつけてアルミホイルのカップなどに入れる
⑤これを発酵させ、発酵後、上に溶けるチーズを乗せる。
⑥オーブンで170℃12分くらい焼成する
シュウ酸と除去してアクを取ったホウレン草や小松菜を入れて作ったパンの完成です。