食パンを切るのは難しい
食パンを自宅で焼いた後、カットするのはとても難しいと感じている方は多いと思います。
カットした食パンを上から下まで同じ厚みで均等に切ることも、そして断面をボソボソさせないで滑らかに切ることも難しいです。
ご自宅で召し上がるのでさほどこだわらない、とおっしゃるかたもいるでしょう。でも、きれいに切れた食パンの断面は滑らかで美しく、舌触りも良いものです。
ちょっとしたコツをつかめばどなたでも綺麗に食パンを切ることができますよ。
食パンを切るタイミング
まず、第一にオーブンから出したてのまだ熱が残っている食パンを切るのはとても難しいです。
最低限、荒熱が取れてから、切るようにします。サンドイッチ用のパンにように薄く切りたいときはできれば、焼いた翌日のパンの方が切りやすいです。
私は自宅でパン教室を主宰しているので、食パンのようなパンを切る機会がとても多いです。
パン教室のタイムスケジュールの関係で、事前にご試食用のパンを焼いておくこともあります。
この時は、生徒様が教室にお見えになるときにはすでにオーブンから出しているので、ご試食の時には完全に冷めています。このような冷めたパンを切るときは、生徒様にカットをお願いして、食パンを切る練習をしてもらいます。
けれど、ご試食のパンも生徒様とご一緒のタイミングで焼くことの方が多く、その時は必然的にオーブンから出したてのパンをご試食していただくことになり、熱いパンを切ることになります。
そんな時は食パンを切るのは、私です。熱の残ったパンを切るのはとても難しく、生徒さんにお願いすると苦労されるのは目に見えているし、努力されてもパンが潰れたようになってしまうのです。
一応、口頭でこのようにすると綺麗に切れますよ、と説明をしながら生徒様の目の前で切るのですが、皆さま感心されたようにご覧になられます。
食パンを切るナイフの種類
食パンを切るナイフには2通りあります。
①普通の家庭用の包丁
②パン切りナイフで刃の部分が波刃の包丁
フランスパンのようなハード系のパンを切るのは波刃の方が切りやすいように思います。
食パンを切るときは刃が長ければどちらでも良いのですが、もし、包丁をよく研いであれば、写真上の普通の包丁の方が断面は綺麗に仕上がります。ただ、包丁が切れない場合は(みんな!研いでね!)波刃の方がまだマシかもしれません。
刃が短いものはダメです。包丁をキコキコ動かすのですから食パンの幅よりも最低でも10㎝は長いものが良いですね。
厚みを均等に切るための道具
食パンを切る時にフリーハンドで切ると上の方と下の方の厚みが違ってしまうことはよくあることです。
これを防止するための道具は3つあります。
①食パンスライサー
ナイフを差し込む隙間があるので、そこに包丁を入れて食パンを切ります
②スポンジスライサー
本来、スポンジケーキを水平にカットするための道具で、ナイフの先端と根本の2か所にはさみ、食パンに当てて水平に切ります。
③ケーキルーラー
こちらもケーキ等を水平にカットするための道具で、様々な厚みがあり2本一組で使います。
では、この中でどれが一番使いやすいか、ですが、私にとってはずばり①の食パンスライサーです。
②、③は包丁を横に動かすことになります。包丁は普段縦に使うことがほとんどですよね。よって、包丁を横に動かす、ということは案外難しいのです。ケーキのスポンジはパンより柔らかいので、この道具で良いのですが、パンはスポンジより硬いので、上から下へナイフを動かしてカットする方がはるかに楽です。
ケーキルーラーも同じ理由で、食パンスライサーに叶いません。
ただ、食パンでなく円筒形のようなパンはスポンジスライサーやケーキルーラが良いでしょう。
ナイフを温めてから食パンを切る
パンをカットする直前にナイフを温めると、より綺麗にカットすることができます。
温める方法は、熱した布巾で刃全体を覆うようにすればOKです。
この「熱した布巾」を用意する方法で、一番簡単なのは布巾を水で濡らし電子レンジに掛ければOKです。
ナイフは大きく動かす?小刻みに動かす?
パンをカットするとき、ナイフでできるだけ小刻みに動かしましょう。
ギ~コ、ギ~コと大きくゆっくり、ではなく、キコキコっ!と素早く、小刻みに動かします。
①良く切れる包丁で、②食パンスライサーを使って③刃を温め④ナイフを小刻みに動かす。
この4つのポイントを守って食パンを切ると、慣れればこのように美しい切断面にカットすることができますよ。
不思議なもので、焼いた翌日の食パンを綺麗にカットできた時は食パンのカスもあまり出ないのです。
皆さまもポイントを守って美しく食パンをスライスして美味しく召し上がってくださいね。