手ごねでパンを作る方法
ホームベーカリーでパンを作る方も多いかと思いますが、ホームベーカリーが無くても手ごねで美味しいパンを作ることができます。
一番シンプルな丸パンのレシピを例に手ごねのパン作りのポイントを説明しましょう。
丸パンのレシピ
材料 | ベーカーズ% | g | |
1 | 強力粉 | 100 | 200 |
2 | イースト | 2 | 4 |
3 | 塩 | 2 | 4 |
4 | 砂糖 | 10 | 20 |
5 | スキムミルク | 5 | 10 |
6 | 水 | 60 | 120 |
7 | バター | 10 | 20 |
8 | 合計 | 189 | 378 |
手ごねの方法 ~バターを入れる前にある程度捏ねます
上の材料のバターを除いたすべての材料を大きめのボウルに入れ、よく混ぜます。 この時イーストと塩が隣合わせにならないように置きます。塩はイーストの働きを抑制してしまうのです。またスキムミルクはとてもダマになりやすいので、計量したらすぐに強力粉に混ぜ込んでしまうのが良いです。
水と粉類をよく混ぜ合わせます。小麦粉に水を加えて混ぜるとグルテンができて手にベトベトくっついて、初心者であればあるほど、収拾がつかない様に思えて手を洗いたくなってきます。でも、ここで手を洗わない様にしましょう。洗ってもまた小麦粉がくっついしまうので手を洗ってばかりいると材料を水で流すことになってしまいますよ~。頑張っていると、この先手に付かない状態になってきます。
大きなボウルが無い場合は板の上でこねても大丈夫ですよ。この時も手はベトベトになりますが、頑張ってこねていくと手に付かなくなるので頑張りましょう!
ボウルの中で生地がひと塊になるまでよくこねます。この段階でグルテンをしっかり作るように心掛けがけましょう。グルテンは網目のような構造をしていて、パンの骨格を作るものです。グルテンが少ないと骨格が弱く膨らみにくいパンになってしまいます。(もし、ピザのように膨らみを期待しないパンであればグルテン形成が無いこの段階でバター等の油脂を入れましょう。)
ボウルの中の生地を板の上に取り出し、更によくこねます。バターの一部を手に取って(一部です!全部ではありません)、パン生地を両手で前後に動かすように板にこすりつけるようにしてこねます。そのこね方を習った時、先生が「猫が爪を研ぐようにね」とおっしゃいましたが・・私は猫を飼っていないので、その表現がピンときませんでした。。。
手ごねの方法 ~バターを入れるタイミング
この猫の爪とぎ?を5分くらいしているとグルテンがかなりしっかりしてくるので、ここで初めてバター全量を投入することができます。最初、バターが生地になかなか混ざっていかなくて「どうするの、これ!」と思うかもしれませんが、構わずこね続けていくと、バターがすっかり生地に入り込み滑らかな感じになります。
バターがすっかり生地になじんだところで今度は生地を板に叩きつけるようにします。結構音がするので家族にやるわよ~!と一声かけてくださいね。子供が小さい頃、私がパンを手ごねで作って叩いていると「おかあさん怒っているの?」と聞かれたことがあります💦
ここまでくると、手に付いていたパン生地がほぼ吸収され、手が綺麗になってきます。途中、干からびて硬くなったような生地が手に付いていたときは、これだけは取り除きましょう。
最後に陶芸の「菊練り」と同じようなこね方をします。片方の手で板の上にぐ~っと押し付けもう片方の手で練りながら回転させます。これを何度も繰り返します。
手ごねの方法 ~仕上げにグルテンチェック
では最後にグルテンチェックをしてみましょう。グルテンチェクとはグルテンができているかどうかを確認する作業です。
パン生地を板の上に置いたまま生地の下から両手の指を入れ小刻みに動かしながら慎重にパン生地を薄く伸ばしてみます。
グルテンが弱いと薄く伸ばす間もなくぶちっ!と生地が切れてしまいます。その時はさらに叩いたり練ったりしながら強いグルテンを作って行きましょう。
パン生地が切れることなく薄く伸びたら、グルテンが出来ている証拠です。
パンを綺麗に丸めて、油脂を塗ったボウルに入れ、ラップをかけて一次発酵の工程へと進みましょう。
パン教室をしていると、手ごねの作業が大好き、という生徒さんがいらっしゃいます。成型はいろいろと緊張するけれど、この手ごねは無心になれるそうです。
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